産後の寝不足が吹き飛んだ瞬間 赤ちゃんが私を見て笑ってくれた日

出産を終えたばかりの産院で、本来なら少しずつ体を休められるはずなのに、私にはそんな余裕がほとんどありませんでした。
生まれてすぐのわが子は、添い寝でないとなかなか眠れないタイプだったからです。
出産の疲れを取るどころか、入院中から睡眠不足が続き、「赤ちゃんとの生活って、こんなに休めないものなんだ」と戸惑ったのを覚えています。

夜になってもなかなか寝つかず、抱っこしても、ベッドに置くとすぐ泣いてしまう。
そんな様子を見た巡回中の助産師さんが、「添い乳しながら寝かせてみてもいいかもしれませんね」と声をかけてくれました。
あのひと言に、当時どれだけ救われたかわかりません。
今振り返ると、完璧にやろうとするより、その子に合う方法を見つけることの方がずっと大切だったのだと思います。

授乳も順調とは言えませんでした。
赤ちゃんの飲む力と母乳の出る量がうまくかみ合わず、なかなかペースが整わないまま頻回授乳に。
やっと寝たと思ったらすぐ泣き、また授乳して、少し落ち着いたと思えば再び目を覚ます。
そのくり返しに、「いったいいつになったら朝まで眠れるようになるのだろう」と、先の見えない気持ちになったことはありませんか。
私も毎日のように同じことを考えていました。

里帰り中は、実家の家族が夜泣きに付き合ってくれたおかげで、ほんの少し眠れる時間がありました。
それでも、まだ首もすわらない赤ちゃんを横抱きする時間は長く、腕や肩には少しずつ疲れがたまっていきます。
自宅に戻ってからは、日中ほとんど赤ちゃんと2人きりの生活。
「この小さな命を、私が守らなくてはいけない」と思うほど、気持ちまで強く張りつめていきました。

寝ては泣き、泣いては授乳する毎日。
けれどその一方で、赤ちゃんは驚くほどの速さで成長していきます。
1か月ごとにできることが増え、こちらが少し慣れてきた頃には、また次の変化がやってくる。
育児とは、安心したと思ったら次の課題が訪れる連続なのかもしれませんね。

そんな中で、今でも鮮明に思い出せる出来事があります。
生後2か月ごろ、目がだいぶ見えるようになってきたのか、わが子が私の顔をじっと見つめて、きらきらした笑顔を向けてくれたのです。
その瞬間、それまでの寝不足や疲れが一気にやわらいだ気がしました。
「私がそこにいるだけで、こんなにうれしそうにしてくれる存在がいるんだ」と思うと、胸がいっぱいになったのを覚えています。

赤ちゃんが“見えるようになる”という成長は、数字では表しにくい変化です。
でも親にとっては、毎日の苦労が報われるほど大きく、深く心に残る節目ではないでしょうか。
あのときの笑顔は、今でも私にとって、育児の中でも特別に感動した場面のひとつです。
大変さの中にも、こんなふうに一生忘れられないごほうびのような瞬間があるから、子育ては不思議で尊いのだと感じています。


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